日本郵便にフリーランス法違反で勧告方針、契約条件の明確化が急務に
2026年8月27日、公正取引委員会は日本郵便に対し、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)違反で再発防止を求める勧告を行う方針を固めたと報じられました。配送業務や研修講師などを委託する個人事業主に対し、取引条件を事前に明示していなかったことなどが問題視されており、同法は2024年11月1日に施行されています。日本郵便は同日、報道を受けて調査を受けている事実を認め、真摯に対応する姿勢を示しました。
日本郵便が2025年9月から10月にかけて実施した社内調査では、合計380件の取引で事前の条件明示が行われていないなどの不備が確認されています。報道によれば、フリーランス法の施行後、150人を超えるフリーランスとの間で支払期日などの条件未明示や支払遅延が発生していたとされています。日本郵便は2025年12月には発注書面等の事前交付を徹底する運用に改定しましたが、公正取引委員会は過去の運用不備について厳格な法執行に踏み切りました。
フリーランス法は、個人として業務委託を受ける事業者(特定受託事業者)の権利保護と取引の適正化を目的としています。この法律では、発注企業に対し、業務委託時に業務内容、報酬額、支払期日などを書面または電子データで直ちに明示すること(取引条件の明示義務)や、役務提供を受けた日から60日以内のできる限り短い期間内で定めた期日までに報酬を支払うこと(期日内支払義務)などを義務付けています。口頭での指示や事後的な処理は違反となる可能性があります。
公正取引委員会の2025年度フリーランス法運用実績データによると、「運輸業、郵便業」は135件の措置件数があり、業種別で3番目に多い数値となっています。違反行為の内訳では「期日における報酬の支払義務違反」が1,135件、「取引条件の明示義務違反」が1,126件と、この2類型が全体の8割以上を占めています。同年度には、特定受託事業者が被った不利益に対し、総額1734万円の原状回復が行われました。
軽貨物ドライバーを含む個人事業主の皆様もフリーランス法の対象となります。日本郵便への勧告方針は、発注元との契約において、業務内容、報酬の額、支払期日などが書面または電子データで直ちに明示されているか、再度確認する重要性を示唆しています。口頭での依頼や不明瞭な契約はトラブルの原因となり、法律違反につながる可能性があります。
もし報酬の未払いや契約内容の不明確さなどのトラブルに直面した場合は、「フリーランス・トラブル110番」に相談できます。この相談窓口は厚生労働省の委託事業であり、弁護士が無料で対応します。軽貨物ドライバーの皆様は、自らの権利を守るためにも、契約内容を常に明確にし、必要に応じて専門機関へ相談することを検討してください。
出典: LogiShift(ロジシフト)
