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運賃の「適正原価」を決める検討会が初会合 — 2028年6月までに下限ルールへ

業界動向

国土交通省は2026年7月17日、「適正原価の設定に向けた有識者検討会」の第1回会合を開きました。2024年に成立したいわゆるトラック適正化二法にもとづき、公布から3年以内(2028年6月まで)に、国が告示する「適正原価」を下回る運賃・料金を制限する仕組みと、トラック事業者の許可の更新制が施行されることになっています。今回の検討会は、その適正原価をどう計算するかを詰める場です。

初会合では、適正原価をどの水準に置くか、どんな費目で構成するかが議論されました。構成要素は大きく「運賃原価」と「料金原価等」に分かれ、運賃原価はさらに固定費と変動費に分けられます。固定費には、車両の減価償却費や社会保険料に加え、全産業平均の水準を踏まえた人件費を含める案が示されています。つまり「働いた人がまともに食べていける人件費」を原価に織り込む方向です。検討会は2026年内をめどに意見を取りまとめる見通しです。

注意点として、今回の適正原価のルールが直接の対象としているのは、トラック運送事業者が自ら運ぶ場合や他のトラック運送事業者へ委託する場合です。軽貨物(貨物軽自動車運送事業)が対象に含まれるかどうかは、現時点の公表資料では明記されていません。今後の検討会の資料や告示の内容を確認する必要があります。

ただし、直接の対象でなくても影響は届きます。元請となる運送会社の運賃に下限ができれば、そこから軽貨物へ支払われる委託単価の相場にも上向きの圧力がかかります。逆に、元請が原価割れを避けるために委託先へしわ寄せする動きが出る可能性もあり、どちらに転ぶかは委託契約の書き方と交渉次第です。

黒ナンバーで働く方は、この機会に自分の原価を数字で把握しておくと交渉材料になります。燃料費・車両の減価償却・保険・整備費・自分の人件費を月単位で分けて記録し、案件ごとの1件あたり・1kmあたりの採算を出しておけば、「この単価では原価を割ります」と根拠つきで話せます。国が原価の物差しを作ろうとしている今は、その説明が通りやすい時期でもあります。

出典: 国土交通省「第1回 適正原価の設定に向けた有識者検討会」(LNEWS 2026年7月17日配信)